Column(1) 『Coyote』第53号より
文/松家仁之・写真/赤阪友昭
文/松家仁之・写真/赤阪友昭
狩猟民だったイヌピアット・エスキモーの住まいが同じ場所に固定化されるのは、布教のためにやってきた教会が19世紀末にできてからのことだった。
今の村の家並みは、教会を中心にして区画整理され、できあがったものらしい。一軒一軒眺めてみると、意外なほど異なった顔つきをしている。
村の通りを散歩して、家の顔を見てまわった。カリブーだけではなくシロクマの皮も干されている。シシュマレフ村の通りには名前がつけられていない。