満月の夜、珍しく霧雨が降るときにムーンボウと呼ばれる、月が作り出す虹を見ると、幸運な気分になります。虹はいつのときもはかない存在ですが、夜見える虹は一瞬で極端にはかないものです。不思議と虹を見ると私の心は沸き立つような思いにあふれ、魂を揺さぶられる感覚を覚えます。
「虹のアーチの端っこの根元を掘ると黄金が出てくる」という言い伝えはハワイでは誰もが知っているものです。私自身は、心がクリアで自分の思いが純粋であれば、虹の端は自分のすぐ近くにあり、黄金とは神聖で光に満ち溢れた魂という無限の富として自分の内に存在するのだと解釈しています。
昔、ハワイアンは自然を神「アクア」として信仰していました。神は人が快適に生きていくために霊的な助言をする役割の者を作り出しました。それはアウマクアと呼ばれています。最初のアウマクアはアクアが人間と結びついたことで生まれたと伝えられています。
わたしたちは真実に向き合うことができたときに初めて、苦しみ、悲しみ、痛みから解放され、優劣、個人や別れというものが無意味であることを理解します。このことを理解することは自分と世界がひとつであるという意識をもたらし、自分自身を個人としてではなく、悟りを開いたものとして見ることができるようになります。ヴェーダンタと呼ばれ、この知識を持つ者、知識そのもの、そしてその内容の区別はなく、この時点で知るべきことは何一つなくなります。
ヴェーダンタはOMによって表現(描写)されます。OMとはA,U,Mの音から構成されていて、サンスクリットの文法によるとAとUが合体するとOになり、それゆえにAUMの3つの音はOMの音色を生み出します。ユダヤ語、アラブ語、英語の祈りのすべての終わりに使われるアーメンでさえ、オームという音に非常に似ていることは興味深いことです。OMは発せられる音の中でもっとも自然なものなのです。
どれだけの人が会話で「Oh, yes」とか「Oh my god」と口にするか考えてみるとわかるのではないでしょうか。病気や痛みに苦しむ人は「Oh」あるいは「Umm」と唸ったりつぶやいたりしながら気をやすめようとします。鈴の音、川の流れる音、風が吹く音、波のブレイクする音さえOMの音を生み出すのです。
もしかしたら世界はわたしたちが思っている以上にずっとずっと小さく、つながっているものなのかもしれません。アロハ…
ジェリー・ロペス